■ メールマガジン NETINSIDER (2000.01.27) から抜粋
http://www.nextlink.ne.jp/info/ninside/

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ネットワーク業界誌「ネットインサイダー」
             No.041
http://www.nextlink.ne.jp/info/ninside/
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■ 目次 ■

  ◆トップインタビュー
   株式会社サムスル
   代表取締役 渡邉 裕晃 氏(3)

ゴールドラッシュの時にどういう人が成功したかというと、
「実際に金を掘り当てた人」よりも、「金を掘るのをサポー
トした人」だった



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■■ トップインタビュー ■■
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株式会社サムスル
代表取締役 渡邉 裕晃 氏(3)

西暦2000年のオンライン広告費は300億円規模になると予想され、今後も市場拡大が予想されています。新年第1回めのトップインタビューは、オンライン広告代理店 株式会社サムスルをたずねました。同社は、オンライン広告市場誕生初期からの豊富な経験による媒体の選択眼と、フットワークを武器に成長を続けています。

株式会社サムスル
http://www.samsul.co.jp/

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>> やっとインターネットでウィンドウショッピングが可能になる

━━━ これからより多数の人がネットに接続するようになってくると思うんですが、それで市場の質はどのように変わってくるでしょうか?

渡邉氏(以下 渡邉):ECは伸びてくると思います。今までは接続費のせいで、いわば入場料を払ってデパートに入る、そういう状況だったと思うのですが、これから接続費が低下することによって、やっとウィンドウショッピングが可能になる。

やはり今は、例えば化粧品の無料サンプルを配るというDMを流しても、フリーダイヤルの電話番号を載せていた場合、WEBよりも電話の方にサンプルの請求が来ることがあるそうです。

━━━ ネットだとダイアルアップの料金がかかりますが、フリーダイヤルなら無料ですからね。

渡邉:また、インターネットに接続する手間や、メールで発注するのは不安だという方もやはりいらっしゃるようです。


>> インターネットはゴールドラッシュで終わるかもしれない

━━━ 貴社の今後の展開についてお聞かせ下さい。

渡邉:今後、もしかしたらインターネットのブームがゴールドラッシュで終わる可能性はあるわけですよね。では、ゴールドラッシュの時にどういう人が成功したかというと、「実際に金を掘り当てた人」よりも、「金を掘るのをサポートした人」だったわけです。

例えば、一攫千金を目指して西部にやってきた人たちに、ジーンズや医療品を売って成功したわけですね。それを考慮に入れてサムスルも、ネットで成功する人をサポートするような仕事をしていきたいと思っています。また、インターネットにこだわるつもりはない。インターネットが得意な会社よりも、「インターネットも」得意な会社を目指したいと考えています。

━━━ それは必ずしも広告代理店という形ではないかもしれませんね?

渡邉:そうですね。インドネシアにいる親戚を足がかりに、アジア市場でも展開できたらと考えていますが、まだ未定です。


>> クライアントはクリックレートに興味がない

━━━ クリックレートの相場というとどのくらいになるのでしょうか?

渡邉:実は、クリック数自体は、クライアントさんにとってはさほど興味がないんです。サイトの訪問数よりも、資料請求の件数の方が重要なわけですから。そういう意味では、クリック至上主義に陥らず、クリック保証型の広告よりも安くサービスを提供していきたいと考えます。


>> iModeで位置情報を生かしたDMを配信する

━━━ iModeなどの次世代端末についてはどのようにお考えですか?

渡邉:DMの配信などには可能性があると思います。属性を選んで、クリスマスのある時間にクリスマスプレゼントのメールを配信するであるとか。

また、人を待っている間に携帯電話をいじるという人は多いと思うのですが、その時に例えば、GPSなどの位置情報も活用して「今新宿にいる人」に向けて、「その近所でセールをやっているよ」というメールを配信するとかですね。

━━━ それは非常に効果的な広告になりますよね。

渡邉:その他にも、資料請求のDMを配信して、そのままフリーダイヤルで資料を請求するといった形も考えられます。これからは無料でiModeを配るところも出てくるでしょうから。

━━━ 競合として認識している会社はありますか。

渡邉:市場が拡大している最中なので、まだまだ競合は意識する必要はないと思っています。

━━━ では、目標にしている会社や、気になるベンチャー企業などはありますか?

渡邉:目標とは違うんですが、オンライン広告のような仕事はネットだけで完結することが多いので、アナログの世界の情報は大事にしています。知り合いに、デジタルではない事業を運営して、アナログの世界に精通した経営者がいらっしゃるんですが、この方の意見は、いつもとても参考にしています。(終)

(1999/12/07 東京 初台のサムスル社にて)



    渡邉 裕晃 (わたなべ ひろあき)
    株式会社サムスル 代表取締役

    略歴
    1974年 東京都生まれ
    1993年 青山学院大学 国際政治経済学部入学
    1996年 インドネシア MERDEKA大学短期留学
    1997年 青山学院大学 国際政治経済学部卒業
    1997年 上智大学大学院 国際関係論専攻入学
    1997年 ベンチャー企業でアルバイト
    1999年 株式会社サムスル 代表取締役就任    

(取材・文: ネットインサイダー編集部)

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